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[コメント] ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月(2004/英=仏=独=アイルランド=米)

他者視点からのブリジット描写が薄く妄想中心に見える映画の運びが続編の甘えとなっているBADムービー
junojuna

 キャラクター映画としての強度を支えているレニー・ゼルヴィガーの健闘は評価すべきだが、それにおんぶにだっこという感じのプロダクションワークの拙さが喝!の続編ムービーである。コリン・ファース、ヒュー・グラントの確かな演技力に依るキャラクターの魅力も描き切れておらず、役者の扱いがぞんざいな悪しき仕業にもったいなさが募る。続編であり、主人公としての魅力を十分にもちえたキャラクターなのだからもう少し人物造形に深みを出そうとする努力はできなかったものか。せめて他者との関係性によってブリジット・ジョーンズの人物像を浮き彫りにするという繊細な視点があってもよさそうだが、そうした眼差しを欠いてこの映画は主人公のトラブルメイキングを展開して突き放している。結局は前作をなぞるだけの甘えに終始してお付き合いにも程があると言いたくもなる滅裂ぶりだ。この映画の魅力でありテーマは乙女心の挫折にめげないオプティミズムなのだからこそ、ドラマの提示として芯はしっかりと立てた上でコミカルな要素を織り込まなければ納得はできない。こうした映画をノーコン映画と呼ぶことにする。

(評価:★2)

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