[コメント] 2046(2004/中国=仏=独=香港)
「もう一人の」足のない鳥。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『欲望の翼』以降、トニー・レオンはずっと一人の男を演じているように感じる。
男にとっての未来は、過去と何ら変わることがない。失われてしまったものを何度も何度も想う。男は生き続ける限り過去を想い続ける。男の未来は過去の内にある。
近未来の小説世界と時間軸がずらされた複数の「現在」が交錯していく。どの場面でも語られるのは痛切。一時の享楽が逆により多くの痛切を産み出すことを知りながら、「もう一人の」足のない鳥は羽根を休めることも許されず、また孤独に宙を舞う。これだけの痛切を味わいながら、それでも生き続ける男の姿にいろいろなものを重ね合わせるのとともに、男が生きているという事実の中にこそ今後のウォン・カーウァイ作品の展開を見たいと思った。(★3.5)
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