[コメント] 2046(2004/中国=仏=独=香港)
もうこの映画でウォン・カーウァイともサヨナラかと、そう思ってちょっと切なくなったり。
相変わらずのこの雰囲気作りと独特の映像感はさすがというしかない。 切なさと時代感をこんなに的確に表現できる映像作家を僕は他に知らない。
しかし、それだけなのだ。『花様年華』でも思ったけれど、 この人は映像作家であって映画監督ではない。 えらく芸術性の高い「作品」であることは否定しないけれど、 「映画」としての完成度はチェンカイコーや、チャンイーモウの それに遠く及ばない。(彼らを引き合いに出したのに特に意味は ありませんが・・・)
なぜなら映画はお客様にお金を払って観に来てもらう娯楽だからだ。 もちろん、彼の映像を楽しみにしている人たちは多くいるし、 ストーリーなんてどうだっていい、と思っている人だっているかもしれない。
しかしCMでもショートフィルムでもなく、2時間を超える尺で 「映画」の形をとる以上、観客を飽きさせてはいけないだろう。
もう途中からこの展開に飽きて映画館のイスにすわりっぱなし のケツが痛いのが気になって気になってしょうがなかった。
やはりこの人は『恋する惑星』や『天使の涙』のように断片断片 、ショートストーリーをつなぎ合わせる手法が一番いい。 1人の主人公に絞って話を展開させるにはちょっと展開力が足りない。
僕が学生の頃、『恋する惑星』で共感したあの世界観。 すでに共感できなくなったのは彼のせいか僕のせいか。 どちらにしても、切なく、哀しい。
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