[コメント] コンボイ(1978/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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本作を観たのは随分前になる。小学生の時のテレビだったが、全然退屈しなかったし、のめり込むように観たものだ。当時は何故か暴走車を題材にした映画がツボだったらしく、『トランザム7000』(1977)のバート=レイノルズに続き、本作のクリス=クリストファーソンも私にとってのヒーローとなった(その後の『天国の門(1981)』で大いに評価が下がってしまったのが残念ながら)。
本作の面白いのは一応の主人公であるダックが中心となってはいるものの、むしろその周囲、コンボイに参加した男や女達やその溜めに渋滞に巻き込まれてしまった一般人達、そして鎮圧にかかるボーグナインを始めとする警察官の面々、それぞれに見せ場が用意されていて、群像劇としても充分に楽しめる(映画では結構使われる手法とはいえ、初めてこの手の作品を観たのも、衝撃度の高さだったんだろう)。今から考えると、これがペキンパーらしさなんだろうね(そういや私にとって初めて観たペキンパー作品でもある)。
キャラを見ると、やっぱりクリストファーソンが良い。ダックと言うだけあって、アヒルの物真似してる仕草がはまってるし、彼を取り巻く仲間達もそれぞれ個性が出てる。それにやっぱり敵役のボーグナインが良いんだよ。確かに役者としては器用な人だけど、ここでの嫌らしい役はやっぱりツボにはまってる。
そして勿論これ!最後は特攻で決める!これよこれ!全てを放り捨て、単身大型トラックで向かっていくその姿にはもう!
…ここまで褒めてなんだけど、一般の評価見たら、えらく低いので逆に驚いてしまった。私にとって極めて偏愛度の高い作品。と言うことになるのかな?
ところで、本作はもう一つ重要な影響を日本に与えてくれた事も特記すべきだろう。本作が日本のアニメに及ぼした影響はかなり大きい。
アメリカ産アニメの『トランスフォーマー』での主人公コンボイの名称(ちなみにオリジナルの名は「オプティマス・プライム」で、日本名はこの映画が元ネタだと思われる)があるが、もう一つ。丁度この映画が公開された時に、企画に上がっていたロボットアニメがあった。『フリーダムファイター・ガンボーイ』と言う企画だったのだが、主人公ロボットの名前がこの場合、“ガンボイ”になってしまい、この映画とかぶってしまうので、名称を変え、『機動戦士ガンダム』と言う名前に決定したと言う…ガンダムとは、この映画なしには語れない。これだけ日本に影響を与えたんだ。もう少し評価されるべき作品なんじゃないかな?
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