出演者は本当に地味で華やかさの欠片もないんだけど、すごいインパクト。小寺智子さんなんて素人か？と思うくらい地味なんだけど、だからこそ滅茶苦茶インパクトがある。・・・てか素人なのか？

あとね、この脚本を書いた人はサラリーマンの経験があるんじゃないだろうかって思いました。もしくは就職活動経験者。久子の台詞が妙に生々しいんです。敬語の使い方とか人にものを尋ねる時の態度とか。就活中に学校に叩き込まれたような妙に丁寧すぎる言葉遣いや言い回し。就職後は絶対そんな言葉遣いや言い回ししないっていう、ある一時期だけ使う独特のニュアンスがすごい自然と描かれていてちょっと気持ち悪いなって思ったくらい。それは小寺智子さんの素人臭さと相まってクソがつくほどの臨場感！

ついでにあかじるキャンペーンもやっぱり台詞がいい。私もキャンペーンガールの経験があるんですけど、本当あんな感じなんですよね、みんな。棒読みなような必死なようなあのやるせなさがやっぱり巧くてリアル。しかも必死で声出ししてる時は誰も寄ってこないくせに、黙るとなんとなく人が集まってくる、あの何やってんだろう感とか本当巧いなーって思いました。

そういった小技の効いた作品だなーという印象が強い作品だったんですが、結局「小技の効いた作品だなー」以外にはあまり印象に残らなかったというのも事実。お笑いとかコント見てるんじゃないんだから、もっと映画的な何かを遺して欲しかった。

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08.08.25　記