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[コメント] 悪い男(2001/韓国)

エゴン・シーレの世界とPLAYBOYの世界の溝は埋まるか?[新宿武蔵野館2]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ソナが本屋で1ページ破り取って万引きしたエゴン・シーレの画集。そして、ハンギの部屋の机の中にあるPLAYBOY。

言うまでもなくシーレの絵は芸術であり、PLAYBOYは低俗な雑誌である。しかし、どちらもセックスを表現するという点では、その内容は共通している。乱暴な言い方をすれば、シーレもPLAYBOYも所詮は同じだということもできる。

にも関わらず、シーレは市民権を得ており、PLAYBOYはそうではない。これは主人公ふたりの関係にも当てはまる。シーレが好きなソナは大学生で、PLAYBOYを読むハンギはヤクザだ。世間から認められている立場にあるのはどちらで、そうでないのはどちらか。答えは明白だ。

この映画は、そんな「シーレとPLAYBOY(女子大生とヤクザ)」の間にある壁をぶち破ろうとした映画だと思う。しかも、少しづつ壁を削っていくようなぬるいやり方などではない。水と油ほども違う両者をいきなり混ぜ合わせてしまった。そこに反発と摩擦が起きるのは当然だ。それがこの映画の尋常ならぬテンションにつながっている。

それでも、結局は両者は一つになった。当然だろう。もともと内容は同じだったのだから。

もっとも、ここではシーレが汚れただけで、PLAYBOYが高尚になるわけではなかった。それがこの映画の弱点といえば弱点であるかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)プロキオン14[*] ペペロンチーノ[*] sawa:38[*] moot グラント・リー・バッファロー[*] MM[*] リア[*] Keita[*]

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