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[コメント] 五十万人の遺産(1963/日)

アクションシーンは結構力が入ってる。けど、それが主題じゃないから。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 作品そのものとしては、この当時によくあった単純な冒険もの。新東宝あたりのどぎつい描写の作品と較べると地味な印象にしかならないのだが、実際に戦争に出ていた三船自身の思いも込められていたかのような描写もある。

 三船が演じる主人公松尾は、戦争そのものを忌まわしい記憶としており、山下将軍の財宝に関しても、それ自体から意識を避けようとしていたが、徐々にそれをこれからの日本の為に使おうという思いに変わっていくという心境の変化にそれが現れているだろう。それが分かりづらかったのが本作の失敗だったんじゃなかったかとも思う。

 活劇部分と心情部分が噛み合っていれば良作にもなれたんだろうとは思う。それと多分よほど監督がこたえたか、三船敏郎最初で最後の監督作品となってしまった。

(評価:★3)

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