コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ともだち(1940/日)

見事に決まったナンセンスがそのまま友愛を謳って心に沁みる。朝鮮総督府鉄道局映画の限界は明らかだが、そう云わせない力がある。チャップリン短編の最高傑作に比肩する、稀に見る美しい映画。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロケ地は水原とのこと。追跡劇の舞台である迷路のような古城が美しく、李少年はまるでここに住まう亡霊のように見える。着物の交換自体が素晴らしいのだが、さらに素晴らしいのは、これに感化されて鞄を頭のうえに載せて立ち去る学友たち。ラストの立ち去るふたりの後ろ姿はチャップリンだろう。しかし本作ではチャップリンは孤独ではない。ひとりではないのだ。音声は日本語教育の傷跡を示したであろう重要な要素で、喪失は誠に悔やまれる。李さんは日本語の達者な人だったとのこと。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。