コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 薮の中の黒猫(1968/日)

時代の流れなのか、なんだか勢いがあって、活き活きしていて、どうも幽玄とか荘厳という雰囲気に持っていけていない感じがしました。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なるほど、『羅生門』と『雨月物語』を足して2で割ったような雰囲気はあります。ですが時代の流れなのか、なんだか勢いがあって、活き活きしていて、どうも幽玄とか荘厳という雰囲気に持っていけていない感じがしました。

役者も太地喜和子は下膨れの顔がおかめメイクと相性が良く、とてもよかったんですが、乙羽信子は顔の作りがまず現代的すぎて、おかめメイクが全く馴染んでいない。顔に凹凸がありすぎなんだと思う。いや、とてもキュートで可愛らしい方なんですが(個人的には好みの顔)、おかめメイクは似合わないと思いました。声は良かっただけにもったいない。

それから中村吉右衛門も演技がアグレッシヴすぎる。圧力はあるんだけど重みが感じられないというか…。殺陣も全然決まってない。元百姓という設定なんだからしょうがないのかも知れないけど、立ち居振る舞いは完全に武士なので、どうもあべこべな印象。

そう思うと、森雅之なんて役者さんは本当に本当に、本当に!!!!素晴らしい役者だなーとつくづく感じてしまいます。

また、決着を避けたかのようなラストも好きでない。ハッピーエンドにもバッドエンドにもなっておらず、お茶を濁された感じで煮え切らない。

----------

09.03.11記(09.03.11DVD鑑賞)

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。