[コメント] ロベルト・スッコ(2001/仏=スイス)
犯罪者の心理状態の描き方は少々わかりにくかったが、娯楽要素という点で見れば逃亡サスペンス映画としてはまずまず楽しめる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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連続誘拐殺人犯の青年の逃亡の顛末を描いた映画。
実在した犯罪者を描いた映画だが、『逃亡者』系の追跡サスペンス映画をかなり意識した作りなのが気になる。
ロベルト・スッコの犯罪者としての逃亡過程は、ヒッチハイクを装って主婦を人質に取ったり、車を盗むために母子を全裸にして置き去りにしたりと結構細かい部分まで再現されている。
ただ、殺人犯を主人公にした映画としてみると、恋人であるレナとのやりとりは、スッコのミステリアスな風貌と素性に戸惑いながらも彼と愛するレナの心情や、スッコのレナと一緒にいる時の素直じゃないけどレナのことを真剣に愛する素朴な青年ぶりはうまく描かれて入るが、スッコの殺人犯罪部分の描写がかなりおざなりな印象なので、レナへの優しさに隠れた残忍性や暴力性、異常性といった面があまりうまく引き出されず、スッコの犯罪者としての異常性が弱い。
また、レナはスッコが唯一心許せる存在という、重要なキャラのわりに、後半に入るほとんど出番がないし、終盤で逮捕されたスッコのことをレナどう思っているのかも描かれていないのも不満。
とはいえ映画としてはスッコの逃亡劇で少々だれそうなところを、逃亡するスッコを警察が追跡するエピソードを適度に絡ませてるので、そこそこ緊迫感のある映画となっている。
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