シニカルなストーリーも面白かったのだが、この映画については、ストレンジラヴ博士のキャラに尽きた。

　立ち上がったボサボサの白髪、長めの口髭、大きめのメガネ、少し傾けた首、・・・

　ストレンジラヴ博士を見たとき、私は昔ドリフやひょうきん族などでよく見かけた博士と助手のコントを思い出した（と同時に、鳥山明の漫画に出てくるＤｒ．マシリトや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクなども。）。　

　そういえば、ＴＶドラマや映画はもちろんのこと、コントやアニメ、漫画でも、マッド・サイエンティストは、必ず同じような風貌で登場する。今まで深く考えたことがなかったが、不思議なことだ。スーツでビシッときめたマッド・サイエンティストや、スポーティな格好をしたマッド・サイエンティストなんていうのは、見たことが無い。 でも、この映画が全ての原型なら、納得がいく。

　しかし、キューブリックは、とんでもない映画を作ったものだ。

＜＜蛇 足＞＞

　キューブリック本人も、映画監督のイメージを作り上げてしまったような気がするのは、私だけだろうか？　フランシス・フォード・コッポラやピーター・ジャクソン、マイケル・ムーアなど、何となくキューブリックに似ている映画監督が多い気がするのは、私の勝手な思い込みだろうか？