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[コメント] 胸に輝く星(1957/米)

アンソニー=パーキンス…いくらでも可能性のあった役者だったのに、ヒッチコックが台無しにしてしまった。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 本作は一見して定式に則った西部劇だと分かるのだが、カメラの使い方や設定に至るも実に丁寧に丁寧に作られているし、何よりキャラクタが素晴らしい。

 心に傷持つ男をフォンダが好演してるのは既にヴェテランの貫禄だが、それに対するパーキンスが巧い。まだ若いのに真面目で正義感が強く、融通が利かないキャラを実に巧く演じている。最初憎たらしげに見えつつ、徐々に頼れる仲間へと変わっていく過程が良いし、決して相手を食ってしまうようなことなくきっちりフォンダを立たせるような演技が出来ている。下手に自己主張を強くしない分、抑えた演技が光っていた。

 それに控えめながらちゃんと人権問題に立ち入った物語が展開していくのも好感度高い。ネイティヴを敵としてでなくれっきとした人間として描いているのは、この時代の娯楽作にしては先見の明があったんじゃないかな?

 パーキンスはここまで良くできたキャラクタなのに、三年後にヒッチコックに見出されてしまったのが、実は一番の不運だったように思えてしまう。『サイコ』(1960)で見事なはまり役を見せたお陰でいくらでもあった演技の幅を狭めてしまったんじゃ無かろうか?

(評価:★3)

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