[コメント] 沖縄やくざ戦争(1976/日)
登場人物が口々に「たっ殺せ!たっ殺せ!」と言いながら、本当にたっ殺す映画。恐らく脚本家が「たっ殺す」という方言を知った瞬間に、脚本の7割が完成したと思われます。関根勤の千葉真一モノマネの元ネタもこんなところに。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「空手家でちょっと狂ってる」という、ある意味そのまんまの千葉真一。かなり最高です。自分が殺される夜に、「チョーデェ(兄弟)と飲みたくなっちゃってさ」などと松方弘樹を訪ねるシーンなんて、可愛くて可愛くてしょうがない。「PW(捕虜)の歌」も味があって良かった。正しいんだか適当なんだかわからない琉球空手も良かった。むしろ千葉真一を主人公に据えちゃえば良かったんじゃないかと思うほどです。
というのも、主人公・松方弘樹の行動が、どうも共感しづらいんですよね。やれ兄貴を信じるだの殺すだの、成田三樹夫と組むだの組まないだのと、あっちを信じては裏切られ、こっちを頼っては騙されてで、間が抜けてるにも程がある。更に、表立った敵役が地井武男っていうのがちょっと役者不足なため、千葉真一の殺害以降、何となく画面に締まりがなくなってくるんです。ラストも松方と梅宮辰夫だけが生き残っちゃってて、結局一番大事な決着がつかない消化不良な結末。要は「たっ殺す」と「千葉真一」で出来上がった映画ってことでしょうか。
ちなみに裏MVPは、借金を取り立てられたインチキオカママスター役野口貴史。
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