コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光(1992/日)

キャラの表情の描き方に気合いが入るあまり過剰に刻まれた皺による老化傾向が可哀相。絵柄は元のガンダムと随分違っているが、戦闘中での短く鋭い台詞の入り方のガンダム臭さがよい。元のOVAは未見だが、かなり楽しめた。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初めて見たコロニーが巨大すぎて大きさを把握できず混乱するメガネくん。凄惨な戦いのさ中、体臭とオイルの匂いが混ざった艦内が凄い匂い、と軽口を叩くニナに「そんな言い方しないでくれ」と顔を逸らすコウ。ノイエ・ジールを初めて目の当たりにしたガトーの「これは…ジオンの精神が具現化したような…」という、涙ぐましいまでに純なジオニストさ。こうした、切れば血が出るような人間の造形こそがガンダムの素晴らしさ。正直、コウとニナの、終盤まで大した屈折のないいちゃつきぶりは要らなかった。

地球にコロニーが落ちるか落ちないかの場面に、登場人物間の思惑やら人間関係やら政略やらを幾重にも絡めつつアクションで魅せていく演出は、ガンダムらしい重厚さと執拗さが感じられて満足。コロニーの軌道に絡む権謀術数なども非常に好みな展開。だが全体的に、音楽はもっと頑張るべきだろう。やや平板に流れすぎだ。

それと、コウとガトーのガンダムが相討ちした後、実は三機目のガンダムがある!という事が判明したシーンではテンションが上がったものの、その肝心の三機目のデザインが保守的で残念。ガンダム本体よりも、デカい装備を身につけて半ばモビルアーマー化するという意外性がよい。

顔を出すだけで台詞を一言も発しないハマーンやジャミトフのさり気なさに比して、終盤では喋りまくりなバスクの俺様ぶりも妙に楽しい。散々地球が苛められた挙句にティターンズが台頭する必然性もよく分かり、こうした「歴史がつながる」感覚があるからこそ、エンディングでティターンズの黒い制服が現れた瞬間には、不思議な戦慄が訪れた。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。