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[コメント] 刑事物語3 潮騒の詩(1984/日)

当時のスタイリッシュな映画作りに逆行したような人情劇でした。ちょっと弱かったですけど。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 2作目の札幌から今度は長崎と、まるで全国行脚のような作品だが、シリーズが進むに従ってどんどん主人公の扱いが悪くなっていくような気がするし、TVドラマ化してきた感じがする。

 TVの刑事ドラマと大きく違うのは、主人公が東京から出張してやってくるのではなく、そこに住んでいるため、生活臭さが上手く出せると言うことだろう。特に島の暮らしの中、そこに住む人と日常的にふれ合っている生活描写は映画ならではだし、そう言う意味では武田鉄矢はうってつけの役割。少なくとも生活描写は充分に楽しめる。それに配役も適材適所って感じ。本作が10数年ぶりの劇場復帰作となった星由里子はブランクを感じさせない女優っぷりを見せていたし、沢口靖子が可憐な役割を上手くこなしてた(確かこの年にデビューだったはず)。

 ただ、やっぱり物語が弱かったのは否めず。武田鉄矢の泥臭さを強調するあまり、話のテンポも良くなく、終わり方もありがち。1980年代のノリっぽくスタイリッシュにしなかったのは評価できるけど、TVドラマに毛が生えた程度では、ちょっと弱すぎた。

 …この素材ではこう作るしかなかったのかな?

(評価:★3)

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