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[コメント] 酔いどれ博士(1966/日)

勝新これはちょっと格好良すぎるだろう。子役時代の小林幸子はここでも抜群。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しかし、この河川敷に新聞配達の弟と暮らす姉弟、とは、敗戦前後ならともかく66年にリアルだったのだろうか。たぶん違うだろう。勝の親切は結構なんだが、行政が保護できんのだろうかと思う。「収容されるんでしょ」「弟と離れ離れにさせられる」と小林が嘆いているが、一緒に住ませる融通ぐらいつくだろうに。

だから本作は想像された娯楽作という気分が強い。この新藤脚本、海際のバラック街もまた、どこまでリアリズムかが大いに気になる。考証気にせずの娯楽作なんだろうか。

勝は小林に、神様はいると云い、父さん母さんが見ていてくれると云う。どっちでもいいんだろう。小林からのお礼を拒み、君が神様を信じてくれたからお返しは終わっている、という科白は美しかった。

東野英治郎の警官がいい。「法律は冷たいが、故に価値がある」。博打で金集めさせて、負けてインチキだと喧嘩して、肩を脱臼させて治療代20万円請求、という集金方法が素晴らしかった。

(評価:★3)

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