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[コメント] 兵隊やくざ 大脱走(1966/日)

断言する。これはシリーズ最高傑作だと。但し、続編を意識したラストは完結せず、この傑作を無駄に貶めてやしないか?
sawa:38

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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前作でソ連軍参戦という実際の歴史テーブルが設定されたことで、それまでの平穏無事な軍隊日記的な御話からよりリアルな背景がドラマ感を増幅させていた。それが本作ではさらに戦闘と避難という緊張感が加えられ見事なまでに「ドラマ」なのである。そして、このシリーズの特徴ともいうべき二部構成が継承されている為、起承転結が繰り返されてスピード感ある作品に仕上がっている。

さらに今回、磨きがかかったのが大宮二等兵(勝新太郎)の「可愛らしさ」だ。あおの無骨な男にこの言葉は可笑しいかも知れないが、とにかく可愛い。「男の愛嬌」というのはまさしくアノ表情を言うのだろう。まん丸の身体にまん丸の顔、その顔がまるでレッサーパンダのように可愛らしく微笑むのだ。

その上本作では、有田上等兵(田村高廣)が死んだと勘違いした時の大宮の嘆き振り、そして再会した時に額を擦り付けて喜ぶ泣き笑い。さらに言えば偽少尉として振舞う時のコミカルさも特筆すべきだろう。勝新太郎の様々の魅力が披露される。ここが本作の最大のみどころなのだ。

だからこそ、だからこそ、言いたい。続編を意識し過ぎたしたラストの終わり方はちょっとばかりズルイ。そこだけが本作の弱点であり、欠点である。

追記:成田三樹夫が素晴らしく良い!たまらなく魅力的だ!続編が予定されているのに、ここで死なせてしまってはあまりにも勿体ない・・・

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)りかちゅ[*]

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