[コメント] 天使にさよなら(2001/英)
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とはいえ、どうも悪く言う気になれないのです。出来は悪いけど、憎めない。むかつく部分も多いけど、まあ仕方ない、というふうで。他人に積極的に声高に勧めたいと思うほど感心はしなかったけれど、私がこの映画に奇妙な好感を持ったのと同様、「悪くもない」と思う人もきっといるだろうと考えると、きっとどこかの場面で人に勧めることでしょう。
イギリス(やヨーロッパ諸国)の映画を見ていて感心するのは、あくまでアメリカ(や日本の)映画と対比してのことではありますが、例えば「“病気”がだれにでも公平に訪れている」ということだったりします。
失業中でイラついている妻子持ちの溶接工は、のんきに病人気分を味わえる御身分ではありません。でも、多分長年の仕事のせいもあるのでしょうが、病気になるときはなっちゃう。不遇の中に訪れる不遇ではあるけれど、別に映画を不幸見本市に仕立てるための演出でもなく、まさに「なっちゃった」という感じで、壮絶な闘病が物語の中心になりがちなアメリカ(や日本)の映画と違って、ああ、病気という名の貧乏くじは、あんなふうに引かされるものなのかな?と受け入れやすくなる気がします。
個人的にあえてケチをつけるならば、邦題はあんまりですね。どうして登場人物の役名が前面に出た映画が日本で公開されるときって、こんなむだな邦題をつけられてしまうのでしょう。「ガブリエル」の名前から大天使を連想できる程度には、西洋かぶれ……というかキリスト教かぶれしている日本人は結構多いと思うのですが。
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