[コメント] 奇跡の海(1996/デンマーク=スウェーデン=仏=オランダ=ノルウェー=アイスランド)
厚い信仰心と純粋さが、戒律からの解放という「自分を締め出した敵」に対する勝利につながった。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でビョークを嫌いになったのと同じようにエミリー・ワトソン嫌いになった。それくらい強烈な印象。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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手ブレ、甘いピン、不要なパンが多く、見づらい。そして荒涼としたヨーロッパの貧しい村での教会の君臨、つまりは宗教が生活に中心となっている人々の抑圧された内面が浮き彫りになり、一層息苦しい。この中でのベスの暴走は、単にヤンからの懇願=ヤンを愛するが故の無謀な妄想なのか。見ているとどんどんイラついてきて、ベスの中に教育がなく宗教にとらわれているバカ女を見るのだけれど、実はそれこそが一つのことに夢中になっている人間の象徴なのかもしれないと感じる。それにしても誰かの「死」でしか次のステップへ進めないのだろうかと、いつも思う。
ラース・フォン・トリアーが抑圧からの解放を激しく求めているであろうこと、人間の性(出自)を追求していること、神を否定しながらもカトリックに入信したびたび鬱を病んでいることなどを鑑みて、非常に納得のいく作品。ステラン・スカルスゴールの仕事ぶりもあっぱれ。エミリー・ワトソン 29歳、ちょっとカワユスだった。
各章のオープニングに挿入される曲の扱いがダサくて参る。言いたいことはわかるけど、安直だぜ、おっさん、と言いたい。
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