[コメント] イン・ザ・ベッドルーム(2001/米)
感情の微妙な揺れを映像によって描写し、ディテールを丁寧に積み上げていく構成がすばらしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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状況からいって、実際に銃が暴発したのだとしても、むしろ夫が故意に殺したのだと疑われておかしくない。なのに、証言の不十分さが示されただけで、夫の殺意は否定され、保釈が認められてしまう。映画で提示される他の諸条件を考慮したとしても、これは明らかに虚構、それも出来の悪い虚構である。
問題は、虚構=フィクションを用いて、何を描きたかったのかってことだ。法は、しばしば社会正義を実現しない、そんなのは分かりきった話だ。要は、そういう場合に正義の私的な執行は許されるのか、ってことである。
この映画は、それを行為として描いている、という点を除けば、これが許されるとも許されないとも明確には語っていない。確実に言えることだけを言うなら、「『これを許されると考えている人々はいるだろう』と考えている人々は存在する」ということだ。
私にとっては、万人が理解できるような作りになっていない点が不満である。私がこの映画を評価するのは、きちんと論理的な思考に耐えうる作りである、という理由からである。
80/100(04/09/13記)
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