[コメント] 命(2002/日)
111分を掛けて人間の死んでいく様を描く。これほどの恐怖を他の映画で味わったことなど無い。ふたりの熱演には如何なる賛辞も惜しまない、そして原作者の勇気にはただただ敬服するしかない。(感心はしないが・・)
母親学級で江角マキコがむせる。「楽しいことは何もありません」
神社の境内で豊川悦司がむせる。
この作品の評価がどうあろうとも、私はこの演技を忘れない、忘れられない。背筋が凍るという形容詞が大袈裟でないふたりの芝居に、私ごときが賛辞を送るには語彙が足りなさ過ぎるようだ。
ただ、私が思わず涙を流してしまったシーンは、分娩室での出産シーンでした。誰かの芝居ではなく、生命が誕生した記録フィルムでした。最も神秘的でかつドラマティックな「生命の誕生」。やはりへその緒が巻きついた赤ん坊の画は、どんな映像にも勝るのだ。
人間の根源ともいえるテーマを真正面から取り上げたこの作品はノンフィクションの重みも加わり、重厚である。この重厚さに敬服する。
ただし、あくまでも感心だけはしないが・・・
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