コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ファイブスター物語(1989/日)

原作者はこの映画を認めていないのだが、少女漫画的な華麗なキャラ、美術など原作を凌いでいるとしか見えないのは皮肉なところ。お話は「お姫様を救う白馬の王子様」に言い尽くされるが、却ってその普遍性に救われている。
水那岐

確かに結城信輝にキャラクターデザイン&作画監督を指定したり、敢えてモーターヘッドの複雑な駆動系を当時のアニメロボット並みに省略させたりしたのは永野護の配慮によるものなのだが、ストーリーを第1巻の陳腐なものとしたのは、却って第2巻以降のいびつでオタク趣味なストーリーを選択して映画としてのまとまりを欠くことにならずに済んだ脚本の功績のように思える。異論があることは承知の上だが、原作は確かに「面白い」のだがイコール「ストーリーテリングの巧みさ」とは到底言えず、副読本を併読しなければ理解できないという、富野ガンダムの悪さをそのまま継承しているきらいがある。(その上で一度発表した設定を作品上で裏切るという、ある意味あくどい商売もやっているあたりは何をか言わんやだが)…そういう意味で、もっとも人口に膾炙するこのエピソードが選ばれたのは必然だったと言えよう。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。