アメリカでは『ドラゴンボール』だとか『ポケットモンスター』だとか、日本のアニメが大人気なのは知ってたが、まさか『エヴァンゲリオン』もそうだったとは・・・。

と、どうでもイイコトは置いといて。

当初は『ストーカー』という邦題は、原題のままだと思っていた。しかし、原題は『One Hour Photo』。つまりスピード仕上げ（って一時間だから早くないのか・・・）の写真って意味でしょうか？

と、さらにどうでもイイコトは置いておいて・・・

確かに題名通りに『ストーカー』していた。けど、どこか普通のサイコキラーとも見える。劇中一人も殺していない。にも関わらずこれだけの空気を生み出せるのだから、ロビン・ウィリアムスの演技は凄い。

最初から彼のミステリアスで不気味な雰囲気に打ちのめされ、終始持続する。怖くは無い、ただ不気味で、彼が付きまとう理由を知ると悲しくなる。

サイ（ロビン）の家も職場も冷たい色彩で統一され、どこか機械的な雰囲気があり、恐らくその効果と彼の演技が見事にマッチして、これだけの不気味さを表現できたのだろう。

しかし、インパクトが足りない。これじゃ本当に「一人よがりで他人に迷惑かける人」にしか見えてこない。確かに、一応ラストでは「愛」に辿り付かせ、きちんと話をまとめて、充分な展開はあった。

しかし、そういう家族愛だとかを描き出したいならもう一つ足りていない。結局ロビンの演技が浮いてしまった気がする。

彼の行動、映画全体の色彩と雰囲気、音楽、クライマックスのスリルある展開と、なかなか見事な展開。地味ながら充分に健闘している。しかし、何か少し描き足りないだけで、傑作と紙一重の位置になってしまっている気がする。

本当に勿体無い。

俺が思うに、この映画はもっとサイの過去だとかを掘り下げるべきだったんじゃないかと思う。ラストで行き着いた「愛」。これで充分観客の共感を獲得している。

上映時間をあと10分でも延ばして彼の今の悲しい現実に至るまでをもう少しでも掘り下げて欲しかった。