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[コメント] 刑務所の中(2002/日)

よかったよぉ〜、面白いからびゅーだね。うん、ビューだ。 2003年1月20日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初めての学校帰り鑑賞(試写除き)。

一人で行くのもなんだった(?)ので、『エス』を一緒に観に行った友人を誘った。しかし、友人は見事に断った。「なんで?刑務所の中覗いてみたくない?」「だって『エス』でもう、刑務所は嫌になっちゃった」だそうです。うーん、確かに比べてみると、ある意味で『エス』に似てるかもしれない。

中身は全く違うが、最初は刑務所に違和感があり、「願います」の一言を言うのが面倒で、消しゴム一つ拾うのに緊張していた男が、時が経つにつれ、刑務所に慣れて受刑者としてしっかりベテラン(?)化してるのだ。そんな姿を見てやはり人間の心理というものは本当に複雑だと痛感。

しかし、見ている間中笑顔が耐えなかったのも事実(笑)。見ていてずっとずっとほのぼのだった。オープニングからサバゲーで「しあわせ」なんてやってる主人公にはもの凄く共感してしまうし・・・。(自家製拳銃を見せているときに、一人銃口を覗き込んでましたが、ガンマニアならやってはならない行為では?と思うが・・・)

そして、刑務所に入り飯を喰らい、醤油をかけ、正月を待ち望み、わけのわからん体操をして、陰毛見つけて騒いで・・・と馬鹿というよりも「ほのぼの」な雰囲気は、本当にニヤつかせる面白さ。

噂通りの、本当に『ショーシャンクの空に』や『ロック・アップ』(比較の対象としては論外だけど)の過酷な刑務所なんか比べ物にならないほど爽やかで優しくてほのぼのな刑務所に居るほのぼのな凶悪犯。皆その「役割(=環境)」に慣れてしまったのかな?(笑)

主人公のブツブツ独り言のような台詞での突っ込みや、「あっ、乳首見るの忘れた」など、ギャグも冴え渡り、個性溢れる脇役人の独特の感じがなんとも言えず、ビューだね(笑)

見終わっても笑顔は絶えず、とにかく「よかったよぉ〜」な映画。「面白い」とはまた違った「面白い」映画。

ただ、ラストは唐突に中途半端に終った気がする。確かに、刑務所の花を写し、必死こいても届かない肩でボールを投げる。その向こうでは白け切った仲間が立っている。そんな、本当にほのぼのした刑務所で絞めてくれるのもよかったけど、もっとなんか「☆おしまい☆ちゃんちゃん♪」な終り方して欲しかった気も少しある。

しかし、刑務所で出てくる、今まで普通に食ってたものを待ち望み、やっと叶い本当に美味しいと感じる。それはある種の幸せかもしれないし、また違った「ご飯の食べ方」かもしれないが、結局入らないにこした事はない。そんな事も感じれた。奥が深いのか、深読みしすぎなのか・・・面白いからいいんだけどね。

しかも、見終わって「こんな刑務所ならしばらく試しに入ってみるのもいいかも」と思ってみたのも事実。実際、入ってみないとわからない。原作者の人だって入って初めてイメージを覆されたんだから。

うーん、食べたい。なんか楽しい余韻に浸れる面白い映画だったなぁ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ユリノキマリ[*]

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