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掲示版: 話題「B級」 (kazby)

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B級
kazby2001年12月13日21時07分更新
こんにちは。いつも楽しく見せていただいています。メンテナンスなさっている舘村様、お疲れ様でございます。これからもよろしくお願いいたします。早速ですが、皆さんにお聞きしたいことがあるのです。B級映画って、何か商業的な基準があるのでしょうか。実は、私もこの言葉を使うことがありますが、自分で明確な基準があるわけでなく、なんとなく高興行成績路線から外れているような感じがして、おげれつというのでもないが、汚れがないというわけでもなく、やっぱり面白いと思う場合、B級などといってみたりします。例えば私などは何気に『ラ・ヴィド・ボエーム』という映画を探していてここのサイトへ来れたのですが、この映画は、多分大ヒットするような映画ではないけれど、とても美しくて、B級と呼ぶのに躊躇してしまうんです。B級についてよかったらおきかせいただけませんか?
Re: B級
荒馬大介2001年12月13日22時42分更新
 kazbyさん始めまして、荒馬という者です。各種資料からの引用になりますが一筆書かせて頂きます。
 もともと「B級映画」というのは「メインとなる映画の併映作品、添え物作品」のことを指します。映画の公開方法というと今でこそ一本立てという公開形式が当然のようになっていますが、かつてハリウッドのメジャーな映画製作会社(20世紀FOXやワーナー等)は、大抵の場合二本立てで公開することが多かったのです。そのうちの一本がメイン、片方は添え物ということになりますが、メインを作る方を「A班」、添え物を作る方は「B班」と呼んでいたのです。
 「A班」はメインなので製作期間が長い分だけ製作費も多く、出演者も有名でスタッフも一流の人達がそろっていますが、「B班」は予算も半分あるいはそれ以下で製作期間も短く、出演者も主人公程度ならある程度有名な人は出せますが後は駆け出しや新人ばかり。スタッフも同様です。また、併映となる作品を自社内で作らず、中小の映画製作会社が手掛けた作品を抱き合わせで公開していたこともあります。中小の会社ですので、製作事情に関しては先に説明した「B班」と同じような状況だったのです。こういった映画のことを総称して「Bプログラム」と呼んでいたそうです。
 後にアメリカではメジャーな映画会社と配給契約をしない映画館(ドライブイン・シアターのこと)が増え始め、そこに中小の映画会社がこぞって自社作品を公開するようになります。こういった状況下の中でいつしか「B」という言葉に含まれる意味が増え、最終的に「メジャー会社のB班が作っている」「中小の会社が作っている」作品を全てひっくるめて、出来不出来に関係無く「B級映画」と呼ぶようになったんですね。商業的な意味合いとしてはこんな感じでしょうか。
 批評的な意味合いですと「Aではない」ということで、「ランクが落ちる」「レベルが低い」「知名度が低い」映画のことをそう呼ぶことが多いと思います。ですからkazbyさんの場合は……どうなんでしょうか? 映画自体は未見ですがお話だけ聴いていますと「B級」というのとはちょっと違うような気がしますね。製作費がB級でも出来がB級でも、ヒットするとかしないとかいうのは関係無いと思いますよ。長文・駄文失礼しました。荒馬でした。
Re: B級...そういえば
kazby2001年12月14日00時12分更新
荒馬様、早速お返事いただいて恐縮です。B級の生い立ちから、様子が徐々に変化していく過程はとても興味深いですね。さらに批評的な意味合いでのBという考えも、いっそう面白いです。商業的な意味でのBと批評的な意味でのBは、別のものなんですね。多分、レコードのB面の曲といっていたのがこれにあたるのでしょうね。B面の方がヒットしたりして話題になったりっていうこともありますよね。さっきの投稿の『ラ・ヴィド・ボエーム』は、フィンランドの映画で、娯楽性とか派手さはなく、とても個人的な問題を扱ったフォークソングみたいな映画ですが、個人的な批評的意味合いの中ではAです。それに、監督も俳優も有名なので、商業的にみてもAかもしれません。とはいえ、アメリカのA級、B級の基準をヨーロッパの映画に当てはめようとすることが、すでに無意味ですよね。
Re: B級
abebe2001年12月17日21時17分更新
B級映画=木曜の12ちゃん。
Re: B級
ボイス母2001年12月18日08時37分更新
不朽のB級名作映画『ヤング・フランケンシュタイン
ワシ的B級の定義=その映画に端役で参加してみたい
Re: B級映画って
トシ2001年12月19日16時04分更新
荒馬大介様の資料に基づいた説明で十分と思いますが、蛇足として。私の時代にはB級映画はプログラムピクチャーと呼ばれていたような気がします。映画会社は年に何本かを製作して、映画館で上映する取り決めがあって、ベルトコンベアで生産される映画のようなイメージがありました。ロジャー・コーマンがプロデュースした作品が多くこう呼ばれていたように思います。またこれは日本だけの事かも知れませんが。そのプログラムピクチャーから若手監督が輩出された時代があったような記憶があります。あと金と手間がかかってない映画をB級と私は呼びます。一時期B級=面白いという図式もありました。
Re: B級映画 実は...
kazby2001年12月22日09時49分更新
部屋には電線をひいていないので、もともとテレビ番組がいっさいみられないのですが、私の地方では無理かもしれませんが、チャンスがあれば観たいですよね、木曜12ちゃん。 ところで、『ヤング・フランケンシュタイン』もまだ観たことがなく、また、ロジャー・コーマンを検索すると、たくさん作品が登録されているのですがそのうちのどれもまだ観たことのないものばっかりで、自分であきれました。 未知の世界はおそろしく広いですね(笑)。
B級といったらこの方。
荒馬大介2001年12月22日12時16分更新
ロジャー・コーマンの名前が出たのでまた書きます。大手メジャー映画製作会社と配給契約を結ばない映画館が増えたことで、中小の映画会社の受け皿が増えたと書きましたが、その中でも一番有名なのがこのロジャー・コーマン氏なんですね。この方の信念は「映画に時間と金をかけ過ぎない」こと。俳優もスタッフも駆け出しの人達を使うことで人件費を安く押さえ、その時に旬となっているテーマを狙って手早く作る。例えばスピルバーグが『ジュラシック・パーク』を作ると知ったコーマン氏はすかさず『恐竜カルノザウルス』の製作を開始、何と本家よりも先に劇場公開して相当稼いだそうです。無論スピルバーグのそれと比べれば安いでしょうが、賭けた額からすればコーマンも十分儲かっているのです。B級映画製作者というのはそういう風にして頑張ってるんですね。荒馬でした。