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[あらすじ] 残菊物語(1939/日)

明治初期、歌舞伎界の名家に育った尾上菊之助(花柳章太郎)は、周囲からちやほやされるあまり、自らの芸の未熟さに気づかずにいた。しかし、家の子守女・お徳(森赫子)は彼の芸の巷での評判を伝え、修業に励むよう忠告する。そんなお徳に、いつしか好意を抱く菊之助だが、それを知った彼の両親はお徳に暇を出してしまった。この仕打ちに反抗して家を飛び出し、大阪で舞台に立つようになった菊之助だが、親の七光りを失った未熟者の彼に、大阪の観客は冷淡だった。今や菊之助の心の支えは、彼を追って大阪に来、共に暮らすようになったお徳だけであった。[142分/モノクロ/スタンダード]
Yasu

厳しい芸の道に励む主人公を描く、いわゆる「芸道もの」の1本。

日中戦争が本格化していたこの時期、溝口健二監督は翌年の『浪花女』、翌々年の『芸道一代男』と「芸道もの」路線を続けた。この3本をまとめて溝口健二監督の「芸道三部作」と呼ぶ。

依田義賢によれば、原作の小説は大変短く、「ほとんど創作に近く脚色しないと映画化できない」ため、舞台化された時の脚本、五代目尾上菊五郎の自伝、さらに河原崎権十郎の話などを元に脚本が作られたという。

なお、お徳の役には当初映画スターの北見礼子が予定されていたが、溝口監督の気に入らず、新派の森赫子が起用された。

(評価:★4)

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