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[コメント] ありふれた事件(1992/ベルギー)

食事中、及び食後の鑑賞はご遠慮下さい。予想を遥かに越えて後味の悪い映画ですが、なぜか憎めません。
nene

ストーリーはアマチュア映画を作る撮影クルーが、「ある殺し屋に密着取材するドキュメンタリー映画」を撮るという設定です(笑)。所々唐突に入る取材クルー自身が語るインタヴュー。「老人を殺すことに罪悪感は?」と聞かれ「おれだって何も好き好んで老人を殺すわけじゃない。俺にだってばあちゃんはいるし。でも俺も暮らしていかないとならないんだよ。」と妙に生活観あふれる受け答えをする殺し屋。いとも簡単に殺されていく人々。やたら真っ暗な画面。中盤からどんどん変な展開になっていく構成。しかも衝撃の(笑)ラスト。恐ろしくグロい場面があるので嫌いな人は嫌いでしょうが、モノクロームのスタイリッシュな画面でこういうあまりにばかばかしい話を撮られると怒れません。音楽も、この画面やテンポにうまくあっていていつまでもみみに残ります。サントラを買って後、音楽だけで聞くと結構情けなくなりましたが。映像もストーリーも音楽も絶妙なスレスレのバランスで絡み合っていて忘れられない1本です。

(評価:★4)

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