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[コメント] 格子なき牢獄(1938/仏)

無垢であるが故の少女時代の輝きと、無知であるが故の罪をコリンヌ・リュシェール、本国では犯罪者扱いにされ語られることもない女優の一瞬の輝きに乗せて封印されてしまった映画。
入江たか男

コリンヌ・リュシェール!あなたは戦時中にドイツ高官の愛人であったとされ、投獄され新たな女優暦を作ることなく28歳の若さで亡くなりました。 あなたがドイツ高官の愛人であったかどうかは定かではないが、戦後に対独協力者として処刑された新聞屋である父の庇護の下の生活では、そういう誤解もしょうがなかったのかもしれませんね。かの名女優、アルレッティでさえも、同様の罪で戦後、数年のキャリアをつむことができず、逃げ回っていたのですから。ただあなたは運が悪かった、というにはあまりに惜しい輝きを映画に残しました。終わってしまったからこそ言えるには、その一瞬の輝きを、映画に封印することのできたあなたは、幸福なのでしょうか?それとも・・・?本国では再び、語られることもなく汚名を着せられえたままに葬り去られたままのあなたを、この遠い東国にて激しく記憶に刻み込まれた人たちが多くいることを、あなたは知らない。

(評価:★5)

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