本能の赴くまま馬鹿をやったら単なる馬鹿映画になっちゃった、ってのが、この作品だろう。前作は「馬鹿」だけど、「馬鹿」なままじゃー駄目だから、物語の定石、少年ジャンプ的な「友情・努力・勝利」をきちんと盛り込んでたし、日本漫画文化と香港カンフーとが絶妙な「馬鹿さ加減」を演出してたんだけど、今回のは、ただ「馬鹿」なだけだから、すぐに飽きちゃう。いわゆる、しつこい「オヤヂギャグ」ってとこだろうか。

駄洒落も秘孔を貫けば、超強力なギャグツールとして生きるのだが、辺りかまわず駄洒落まくって「アタアタ」やってては、「親父、うざいよ！」といわれるのがオチなのである。で、そこまでの「オチ」を加味した上での、「オヤヂギャグ使い」も当然居るんだけど、『カンフーマスター』は、単なるオヤヂギャグレベルに終わっちゃったなーと。

飲み会でダラダラビデオを流す分には、良い「環境ギャグビデオ」になりそうだ。皆でツッコミを入れつつ楽しむことで、ようやく、この作品の足らなかったモノが補完されるように思う。『少林サッカー』のサジ加減をもう一度期待する。