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[コメント] 侠女(1971/香港)

今となっては、なかなかの珍作だと思うのは俺だけか?
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女暗殺者が好きなのと「ビョーンって飛ぶ元祖なんでしょ?」くらいの軽い気持ちでデジタル修復版を観に行ったら、まあ長い。180分。こんな長い映画だとは思わなんだ。後で調べたら、元々は上下集の2部作だったそうで。 それでもう最後の方は、女剣客はどうでもよくなって、「何それ?何それ?」って怒涛のラスト。 本当に途中まで、というか終盤までは面白いので、「武侠映画の名作」と呼ばれるのも分からんではないのです。 でもねぇ、結果としては「珍作」のような気がするんですよねぇ。今だからそう思うのかもしれませんが。 いまコメント書きながらも笑いがこみ上げてくるもの。

そこで謎の「何それ?何それ?」展開を無理矢理穿った解釈をしてみようかと(観てない人には何を言ってるのか分からないと思いますが)。

原作(原案)でも、本当に僧侶を殺そうとするのだろうか?と思ったんですね。設定は明の時代。僧侶は一目置かれる存在だったんじゃないかなぁ? これがキン・フーの翻案なら、僧侶に刃を向けるのは今(当時)の文化なのではないかと邪推するのです。つまり、中華人民共和国のやり口。この映画の制作は「元祖中国」中華民国ね。簡単に言っちゃえば、主人公側が台湾で、悪役側が中華人民共和国。 そして時代はベトナム戦争真っ只中。共産主義との対立はベトナムより長い。 そうした対立の無意味さ、争い事の虚しさを描きたかったのかもしれない・・・結果、珍作だけどね。

(17.01.30 渋谷ユーロスペースにてデジタル修復版を鑑賞)

(評価:★3)

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