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[コメント] カビリアの夜(1957/伊)

フェリーニは世界最高峰のヘタウマ監督だ!
ペペロンチーノ

どうも私はフェリーニが好きなんだかそうでないんだか未だに分からないのだが、以前から一つだけ確実に気付いていることがある。

フェリーニは映画を作るのが下手だ。

初期作品ではあまり目立たないが、カラーになった中期ぐらいからそれが露になってくる。もう人物の立ち位置なんか観てて全然わかんなかったりするからね。ま、『8 1/2』を観れば「お前そんな作り方してんのかよ!」って分かるけど。

本作においてもその下手さ加減(というか不器用と言うべきか)はストーリーテリングなんかに現れていて、一見分かりにくいが、実は強引で無茶なストーリー展開を見せたりする。

ところがフェリーニにはそれを補って余りある天賦の才がある。言葉では言い表せないし、全く理論的でないことなのだが、何か長嶋茂雄にも似た「動物的カン」によって映画を作っているような気がしてならない。 どこがどう上手いとか、そこのここが素晴らしいとか、そういった次元を遥かに超越した「何か」をフェリーニの映画(特に本作)では感じるのだ。「魔術師」と呼ばれる所以はその辺にあるのかもしれない。

後に「私は映画だ」と、本気なんだかボケ老人の戯言なんだか分からんことをフェリーニはのたまうのだが、この映画(に限って?)はまさに「映画の神様」が降臨しているとしか私には思えなかった。もちろんジュリエッタ・マシーナの好演に因る所も大きいが(←今更言うまでもない)、それもまた「映画の神様」が与えた物なのではなかろうか。

「感動」とか「同情」とかいった簡単な言葉では解決できないスクリーンから溢れ出る「何か」によって「魔術」にかかった私は、映画終盤泣きっぱなしだった。

(評価:★5)

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