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[コメント] キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023/米)

お前がJ・エドガーだったろ?
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は熱心なスコセッシファンではないので、彼の新作を追っているわけでもないのに、何故この3時間26分もの長尺を観なきゃいけない義務感に駆られて映画館に足を運んだのか分からないんですがね。

結果、面白かった。長尺なのに全然飽きない。あっという間。何て言うのかな、「映画」でした。最近流行りなのは小手先が派手な「映像」ばかりなんですが、これは見事な「映画」。

スコセッシ爺さん、さすがに最近お年を召されましたねと思っていたのですが、いやいやどうして、前作『アイリッシュマン』より若返ってました。だって『アイリッシュマン』は思いのほか老後の描写が長くてさ。当時77歳のスコセッシが、60代の年寄りと80代の年寄りを描き分けた作品だったんですよ。ま、若返ったと言っても、爺さんは爺さんですけどね。やっぱり、年寄りって歴史好きよね。最近のスコセッシ作品は、伝記とか歴史とかばっかりじゃない?だからもう、アラフィフのデカプーなんか、80歳のスコセッシ爺さんの前では、いつまでたっても小僧扱いですよ。

劇中、FBIが登場しますね。そもそも、この1920年代の先住民の話自体も面白いのですが、フリーメイソンとかKKKとか、アメリカ史を形成する要素をチラっと出してきます。これ、ガッツリ出してくると重いんだけど、その「避けないけど深掘りもしない」辺りのさじ加減が抜群で、そこも長尺を飽きさせなかった要因ではないかと思っています。あ、そうそう、それでFBIね。デカプー、お前が『J・エドガー』じゃ。

ついでに言うと、イーストウッド93歳からしたら、スコセッシなんかまだ小僧なんでしょうよ。知らんけど。

(2023.10.29 吉祥寺オデヲンにて鑑賞)

(評価:★4)

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