[コメント] オン・ザ・ロック(2020/米)
あなたを・もっと・知りたくて
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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私はソフィア・コッポラを「肩の力が抜けたフェミニズム」「退屈と孤独と空虚を描く作家」と評しているのですが、この映画も同一線上にあると思います。ああ、あと「父親よりセンスがいい」って評価もしている。 ビル・マーレイのせいもあると思いますが、『ロスト・イン・トランスレーション』の頃の印象に近い。「等身大」に戻ったとも言えると思います。むしろコンテンツとして、意図的に「等身大」「共感」の路線を狙ったのかもしれません。
主人公の女性=ラシダ・ジョーンズ(クインシー・ジョーンズの娘!)を軸に、「夫を知る」「父を知る」そして「我を知る」という物語なのだと思います。
劇中、バングル(腕輪)は「所有の象徴」といった話が出てきます。出てくるというか、ビル・マーレイ父さんが面白話の一つにぽろって言うだけなんですがね。 映画は、それを腕時計に置き換えます。 父からプレゼントされた腕時計から、夫からのプレゼントの腕時計へ。「所有」というと語弊がありますが、自立する女性の「止まり木」が、父から夫へ移る物語でもあるのでしょう。
「鶴の恩返し」パターンではありますが、娘からしてみたら、ビル・マーレイ父さんは、まるで嵐の到来です。 でも、ビル・マーレイ父さんからしてみたら、娘と遊びたかっただけかもしれません。
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