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[コメント] Seventh Code セブンス・コード(2013/日)

黒沢清、ついにタルコフスキーの域に達したのか?とにかく眠たい映画。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本人が意識していたかどうか分からないけど、黒沢清は“時代の空気”を捉えていた気がするんです。先取りしたと言ってもいい。『回路』(2001年)、『アカルイミライ』(2002年)、『トウキョウソナタ』(2008年)なんかが典型的な例で、公開当時はそれと分からなくても、今、ゼロ年代を振り返ってみると、これらの映画は“時代の空気”を捉えていた。そう思うのです。

私は黒沢清を「この世界は不安定であることを描き続ける作家」と評しているのですが、2008年の『トウキョウソナタ』から2013年の『リアル』まで約5年ブランクがあるんですね。テレビドラマを撮ったりはしてたけど。 この間、我々は東日本大震災という“不安定な世界”を現実に見せられ、世界は変貌してしまった。

そのことは黒沢清も分かっているのです。 この映画で黒沢清は「世界を変える力」という言葉を使います(眠かったからうろ覚えだけど)。 今まで描いてきたタルコフスキー『ストーカー』のゾーン的な“得体の知れない不安定要素”ではなく、震災以降に撮られた『リアル』もこの映画も、世界を揺るがす何かは、もっとずっと人為的なものに変貌しているのです。 もしかすると、時代の不安要素は“闇”から“悪意”へ変わりつつあるのかもしれません。

だ・け・ど・ね

この話、あまりにも安っぽくない? 黒沢清らしい意図された演出でごまかしてるけど、話自体は大学生の自主映画みたい。 なんだよ、足で踏んでパリンって。そんなことでいいのかよ。まあ、PVだからいいのか。 何が眠たいって、主人公の行動理由が不明なまま(それがオチなんだが)、「何だろう?」だけで引っ張っていくのは限界があるんです。

(15.02.07 CSにて鑑賞)

(評価:★2)

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