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[コメント] 洲崎パラダイス 赤信号(1956/日)

「やっぱり堅気が一番」とはいかない、男と女のリアルライフ。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語終盤。

浮気相手と4年もふらふらした挙句、 やっぱり奥さんが一番だべぇと思いたち出戻った家出亭主と 腐れ縁の女との関係をぷっつり切って、 今度こそ真面目に働こうと思っている優柔不断な色男。

家出亭主が言う。「やっぱり堅気が一番」。うなづく色男。

男には人生のうちに何度かこんなふうに呟いてしまう瞬間がある。 時と場合によってバリエーションがあって、 「俺もずいぶん落ち着いたよ」とか「そろそろ年貢の納め時かな」とか、ね。

でも、、 家出亭主は自分を追ってきた浮気相手の女に雨の夜道で頭をかち割られ、 色男は帰ってきた腐れ縁な女とまた転がる人生を選択する。 後にはまじめで献身的な女と堅気な生活だけが残される。

こ、これはしみる! 頭では分かっている「堅気が一番」という至極まっとうな人生観を まっとうすることの難しさよ!

真面目に生きようとしてなかなか出来ない自分のような人間には とてもリアルな映画でした。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)りかちゅ[*]

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