[コメント] 世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
思わず女房にたずねた。「この男と結婚したい?」「絶対に嫌!」 そりゃそうだろう。新婚旅行(?)先に昔付き合っていた女の遺灰を持参する男なんか、私だって願い下げだ。婚約者(柴咲コウ)に「アキは許してくれるよ」と上から目線で語りかけるのも変。日記テープの配達をさせていた自分達のせいで事故に遭い障害を負ったのだから、まず謝るのが普通だろうが。無菌室からアキを連れ出すなんてのはほとんど犯罪もの。この男は若い頃から常軌を逸している。
全く共感出来ない主人公に加えて、この映画には「ん?」と思う場面が多過ぎる。未成年者のパスポート申請には親権者の同意が必要だぞ?(アキの両親が許すはずないやん) オーストラリア行きの旅費はどうやって工面した?(当時はすっごい高かったのに) サキは空港で死んだんじゃなかったのか?(紛らわしい演出するな〜) 写真屋のおっさんは何故歳を取らない?(それはやっぱり山崎努だからか?) サキの遺灰はまた墓から盗んだのか?(大人になっても変わらんやっちゃ) 最後のテープが何故ポケットに入ってた?(事故後に一度は洗濯してるだろうに) etc.・・・
ストーリーの核となるプロットは偶然に支配された設定で構わない。ただ、そのプロットを引き立たせるには、包み込むように肉付けする設定が自然であることが必須。でないと観ているこちらは映画の中に入り込めないし、そもそも役者さんだって納得して演じ切れないだろう。柴咲コウの中途半端な演技は自分のポジションが見えなかったせいのように思う。
ストーリーは全く評価出来ないが、大沢たかおの少年期を森山未來にやらせたキャスティングと、長澤まさみのみずみずしさと、美しいカメラワークに1つプラスの、星3つ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。