不自然なまでに味方にも黒人が配置されカモフラージュしているつもりかもしれないが、魂胆は見え見えだ。ご丁寧にも処刑前に、ぼろアパートの中庭でゆっくりと360度パン。ここが悪の巣窟ですよ〜、ってか。

やたらと著名建造物を口にして、富をセールスするかのようなラジオDJ。人気のない夜道を武器ももたずに放浪し…。コイツらは、貧困層をなんだとおもっているのか。ちょっと抵抗したらビビって逃げるとおもっていたのか。

奴らは圧倒的な格差をまえに、沸騰寸前だ。当たりまえじゃないか。ちょっとした拍子で苛烈な暴力に走るだろう。これはとても理不尽なことだが、まず、それを認識しないことには始まらない。とても危険だ。しかし、ならば抹殺せよ、と、こういう発想はかなり幼稚だ。殺人を犯したギャングたちにも家族があり、生活があった。そこでどんなことがあって、彼らの、そのあまりにも粗暴な性格が生まれたのだろうか？裁判をしたところで厳罰、おそらくは極刑をまぬかれないだろう。だが、それをぬきにしてゴキブリ扱いで踏みつぶす。それじゃあまるで自衛と称した侵略戦争と同じじゃないか。

敢えて問う、「殺してなんになる？」と。