[コメント] ショートバス(2006/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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舞台はニューヨーク、クイア博覧会的アングラ・サロン(障害児向けスクールバスを指すその名がタイトル)に集うそれぞれのセックス傷負いびと達。イケないカップルカウンセラー、虚無を抱く麗しきゲイ、乙女心を仮面に隠すSM女王様、などなどなど。
「全シーンのオーガズムが本物」のトンデモ・プロモーション、実際「そう」っぽいし「それら」も何でもありでマトモなのはほとんどなし。でも決してキワ物じゃない。むしろ(少なくとも、既にイタしてる)カップルにお勧め、てくらい。明るく、可笑しく、そして暖かい、凡百のペラッペラのを蹴散らす真の「癒し」・「感動」作。
映画的な喜びにも満ち溢れ。 手持ちカメラの粗いフィルム、擬似ヘリコプターショットで俯瞰されるポップなジオラマNYC、ヒロインのアクメデビュー・ステージとなる異空間のファンタズム。
そして、ドラァグ・クイーンのママ大熱唱の、あの!パレード。 自分がいかに映画内の、パーティ/ダンス/祭りの情景と音楽に“弱い”かを改めて痛感。(ありえないがあるとしての)ポジティブなトラウマ『81/2』の回帰。嗚呼もう。 大団円、というかなし崩しのはたき込みオチではある、が。あからさまにお題目として振りかざさずゆるやかに通奏される裏テーマ「ポスト9.11」。陣営も階級もエスニシティもジェンダーも超えて、皆が分かり合い愛し合う、それが絵空事ではないのかもしれないと信じられる、今夜だけは。
なお当方セクシュアリティはいたって保守的だが、あちら側もなんだか魅力あるものに思えてきたり?おっと危ない危ないw
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