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[コメント] 終戦のエンペラー(2012/日=米)

恋愛要素を削って関屋貞三郎(夏八木勲)の役割をもっと軽くし、パワーゲームに焦点を合わせれば傑作になる題材のはずなのだが。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







役者の演技という点を考慮し3にするが、1でもいいかなと思う部分もあることは明言しておく。

プロデューサーたる奈良橋陽子野村祐人母子の思いが前に出すぎていて、端的に言って邪魔である。そんなに関屋貞三郎に陽の目を見せたいのなら企画段階でそういう話にすべきである。

関屋貞三郎の薄い役割とたっぷりした演出のミスマッチも酷ければ、アヤ(初音映莉子)というキャラクタをあえてねじ込んでフェラーズ(マシュー・フォックス)の動機づけとするのは実話なら百歩譲って受け入れるが、あまりに陳腐すぎて話にならない。

本作において明らかに力点を置いているのがこの二点なので、非常にフラストレーションがたまる。夏八木、初音の演技に関しては当然ながら全く問題がなく、それが却ってプロデューサーの「私物化」を強調させる結果になってしまっているのが残念でならない。

歴史の転換点はその出来事を追うだけでも十分にドラマティックである。それがある日本人の「身勝手な」価値観で踏みにじられた。とにかく、残念である。

(2013.7.28 シネプラザサントムーン)

(評価:★3)

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