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[コメント] ガタカ(1997/米)

好きな雰囲気、好きな題材だからこそ、ある一点が気になって仕方ありません。
れーじ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







持って生まれた素養が全てで、努力するということの意義を圧殺した価値観に吐き気を催した時点で、僕にとってこの映画の勝利は決まったようなものでした。 後はこのけったクソ悪い価値観をこの映画の枠内で破壊してくれればそれで満足なのです。

で、それはラストシーンにおいて、冒頭のシモネタで妙な存在感を見せていた医務員の行動で最大限のカタルシスと共に示された訳で。

もう大満足! ああいい映画観ましたよー…となる筈だったんですが。

むしろ、だからこそジュード・ロウの行動には承服できない自分がいます。

遺伝子の優劣によって社会的地位が決定されると言う価値観。 その為に不適合者は可能性を棄てなければならないというイーサン・ホークの境遇と、期待されながら不慮の事故によって身体の不自由を強いられたジュード・ロウの境遇に、一体どれほどの違いがあるでしょうか。

「努力することの意義」が、この映画のテーマだと僕は考えます。

だから彼が行うべきは、全てを諦めて死を選ぶことでなく、自分のすべきことを見つけ、努力してイーサンと同じ場所に並ぶことではなかったでしょうか。

そしてそうであればこそ、劇中での二人の、微妙な距離を置いた友情に意味があると思うんです。

好きな雰囲気、好きな題材だからこそ、そこが気になって仕方ありません。

(評価:★4)

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