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[コメント] 戦場のピアニスト(2002/英=独=仏=ポーランド)

ウワディクの目を通して、私たちは今第二次世界大戦のポーランドを経験する。しかしそれは・・・
terracotta

スターリングラード』のような肌で感じる冴え渡った冷たい厳しさではなく、『プライベート・ライアン』のような至近距離で巻き込まれるような戦闘ではない。私たちのウワディクを見つめる目は終始冷静で、彼の運命の行方を三歩下がって付いていくようだ。

この映画で監督が伝えたかったことは、第二次大戦下のポーランドが置かれた状況ではなかったか。ユダヤ人の悲運を伝える映画なら『シンドラーズ・リスト』が数段上である。また、戦争と芸術を伝えたかったのであれば、もっと違う生き方をした芸術家がいるはず。冷静な事実描写のみでは感動を与えることは難しい。ただ、廃屋の中での演奏は最大の見せ場であり、このシーンのエイドリアン・ブロディは本当に見事としか言いようがない。このシーンがなければこの映画はただの冷静な事実描写に終わっていただろう。

(評価:★3)

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