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[コメント] デビル(1997/米)

対抗意識剥き出しのハリソン・フォードブラッド・ピットの演技は悪くなかったが、製作者サイドが「北アイルランド紛争」の複雑さを理解しているとは到底思えない浅薄な脚本に呆れてしまった。こんなに単純に語って良いテーマではないと思う。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 宗教、領土、民族等、多伎に渡る複雑な北アイルランド紛争も、(一部の)アメリカ人の手にかかれば、「アメリカこそ正義」と言わんばかりの単純なヒーローものに生まれ変わってしまう。この脚本作りの強引さには、呆れるという限度を通り越して、唖然としてしまった。

 しかし、実際、この映画をIRAが見たら、どう思うのだろうか?

 「北アイルランド紛争」の本質を捉え損ねている脚本には、おそらく激怒するだろう。私は、IRAの活動は賛同しかねるが、過去の歴史を踏まえれば彼らの気持ちは良く理解できる。(でも、IRA工作員役は、男前のブラピだから、案外喜んでいたりして・・・?)。

 それにしても、この手のアメリカ映画は山程作られるが、どれもこれも政治的なプロパガンダの様なモノを感じずに見ることができない。ひねくれた見方をし過ぎなのかもしれないが、観客が問題の本質を見誤ってしまう危険性を考えると、とても、この手の映画を賞賛することはできない。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)peacefullife[*]

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