画面に写ってる時間は堀北真希の半分くらいだけど、その存在感は素晴らしい。そしてその露出の少なさを補てんするように、まさにずっと寄り添う船越英一郎も素晴らしい。純粋にいい俳優さんだな、と思う。

ただ堀北ちゃんは、他の皆さんも言うとおりこの役にはミスキャスト。配役されるのもわかるんだけど、当てはめてみると合わない。たしかに、「私の顔を覚えて置きなさい。」のシーンは良かった。あ！と思った。大人の色気と凄味があった。でもそのシーンだけ突出してて、他に光るところがない。幼児期に性的虐待にあっていたという悲しさと妖艶さと、悪く言うと汚れ感というのが、彼女の持つ清潔感からは出しようがないからだろうか。

たしかドラマ版では綾瀬はるかだった気がするけど、彼女もぴったりではないし・・今ならしいていうと武井咲あたりかな。でもちょっとミステリアスな雰囲気に欠けるかなー・・誰が合うんだろう。と、考えたところで「それだーーー！」とびしっと心にハマった人がいた。ソン・イェジンである。実際、彼女は韓国版の『白夜行』のヒロインなのである。そもそもなぜ私がこの映画（日本版）を観てみようと思ったのは、レンタル屋で韓国版「白夜行」がソン・イェジン出演であると知って、彼女の雪穂をぜひ観てみたいと思ったから。彼女なら危うい（特に危うい人物を吸い寄せてしまう）妖気と、それに相反する要素の純白さと、悲しくて触ると壊れてしまいそうなのに、したたかに生きていく感じとかが出せるんじゃないかと思う。最近『四月の雪』を観て、この人のなんとも言えない色気を再発見してそう思った。まさに雪穂の香りがする。そこでまずとりあえず、評価の低い堀北ちゃんバージョンを観てから韓国版観てみようと思った次第です。（ごめんね、堀北ちゃん。）（2012/6/7 DVD）