これは個人的な好みの問題ってだけなのだけれど、見終わった後にゲーム（ex.「ジオンの系譜」）をプレイしたくなるのは『Z』や『THE ORIGIN』、そしてこの作品、という感覚は確かにある。そのへんの微妙なところを刺激する“何か”があるのはうれしかった。

でも、ガンダム世界のオイシイとこ取りが上手いことと、一つの作品としての出来がどうなのか、というのはまた別の話。

ミッシングリンクを繋ぐためというなら、ジャミトフやバスクが顔見せする程度なのは舌足らず。それに、もしかしたらこのへんが決定的なことではないかと思うのだけれど、ガンダムGP-03とか、ノイエジールが完成したあとの時代が『Z』や『逆襲のシャア』で、サイコガンダムやアルパアジール等々が登場すると言われても、どうにもピンとこない（「GUNDAM CENTURY」的考証のラインとして“正しい”進化形のモビルスーツとしてノイエジールが登場したことはうれしかったけれど、それもやはり作品そのものとは一線を引いたところの話）。

空白の時代を語るなら、そこをキッチリ作り込むべきだろうし、メカデザインが進化した状況を踏まえての物語を作りたい（描きたい）なら、どんな超絶メカが出てきてもおかしくない設定でやってほしかった。

そして、たしかに作画はすごいのだけど、陰影を強調し過ぎてキャラクターの表情が時々怪談調にさえ見えてしまったのはやりすぎ。