映画を見終わってから何人かの友達（全員未婚２０代後半）に感想を聞いてみた。当初、自分が見た薄っぺらい感想が少しずつ変わった。

●私（♀）自身は奥さんの目線で見てしまった。そうするとどうしてもグイドが痛々しく見えてしまう。そんなに頑張らないでもいいのにという気もするし、もう少し落ち着いて行動してくれれば死なずにすんだんじゃないかという気もする。全て結果論ではあるけれど、死なれては辛い。自分を犠牲にすることなしに家族３人で過ごせるように努力して欲しかった。

●友達Ａ君はグイドの視点。グイドは死ぬまで幸せだったとＡ君は言う。だからこそ人生ってサイコーという意味でライフイズビューティフルなんじゃないかというのが彼の見解。

それに対して、（Ａ君の視点が正しいとすれば）グイドは家族のために頑張って楽しかったからそれでよかったかもしれないけれど、それは家族の本当の気持ちを分かってないんじゃないかという私の見解。さっきも言ったように、私としてはグイド自身にもう少し彼自身が生き延びる努力をして欲しかったから。

●友達Ｂ君もグイドの視点。グイドはとても頭の良い人でずっと不幸だったけれど、その中で臨機応変に家族のために戦った。死ぬときは「ほんとにすまんかった。」と思いながら決して満足して死んだわけではないけれど、子供を守るためにできるだけのことをしなければならなかったから、あの死は仕方がなかったんだ、というのがＢ君の見解。

うーん、なるほど。でも、やはりグイド自身もある程度楽しんでたような気もしないではないので、ずっと不幸だったと言い切るには私には抵抗があるかな。

●友達Ｃ子さんは子供の視点。彼女はあんなお父さんが欲しかったと号泣。・・・。

映画なんて見る人の自由だから誰の感想が正しくて誰の感想が間違っているというわけではないと思うのだけれど、色々な見方ができて、見た人の人生観を映し出すところは楽しい。

私としてはＢ君やＣ君の見解に少しずつ共感しつつも、グイドの自己満足的な献身はやっぱり見ていて辛いなあ。男ならではの美学には共感しかねますです。