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[コメント] 北京のふたり(1997/米)

僕は正直言って、このバイ・リンが好きになってしまった。彼女は「中国ではインテリの女はもてない」というが、これだけこころある彼女は単なるエセ・進歩的文化人ではないだろう。
nepiron

レッド.コーナーというのがもともとの映画名。あらすじは、ともかく、この映画の中で、現実の生々しい中国のシーンがさまざまに入っていて、それを見ているだけでもおもしろい。中国の弁護人の女性=バイ・リンが、自分の家で家族の母を紹介されて、リチャード・ギアが「光栄です」ときちんと挨拶をするところ、「音楽をききたい」と琵琶の演奏をバイ・リンにせがむところなどが、美しい。空気と気配があり、余韻を見ている心に訴えていく。ラストシーンも、犯人がわれて、すべて解決という最後に、ギアが、これですべておわかれか、というあたり、そして、それに対してバイ・リンが「地球の反対側の家族」という言葉を使う当たりは、僕の好みのシネマである。華厳教でいえば、ギアはバイ・リンでありバイ・リンはギアである、と気付く瞬間であり、この映画の一番の深いシーンである。裁判というのは、法律によって誰かを裁くことであるだろうが、この映画のように、裁判によって、自分自身の心の深みの傷を発見し生きる意味を見つけだすということもあるのかもしれない。またそうあってほしいものである。特に今、医療とか法律、政治に夢を持てない現実が、新聞紙上をにぎわしているが故に・・・。 僕は正直言って、このバイ・リンは好きになってしまった。彼女は「中国ではインテリの女はもてない」というが、これだけこころある彼女は単なるエセ・進歩的文化人ではないだろう。

(評価:★5)

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