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[コメント] ラジオ・フライヤー(1992/米)

重くのしかかってくる「大人の現実」に押し潰されそうな、「子供たちの夢」。でも子供たちにとって「夢」は「現実」なんだから、本気を出せば「大人の現実」なんてはね飛ばしてしまえる力が持てるんです。そんな「子供たちの本気」に嬉しい涙。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最後の最後まで、その「子供の夢」から逸脱しない世界が心地いいです。これは彼らの物語で、彼らが主人公なんですから、その世界の「常識」だって彼らが決める。大人がどんなに腕力にものを言わせてもね。みんなだってきっとあったはず。公園の遊具が宇宙船になったり、道路の白線を踏み外したら奈落へ落ちちゃったり。だから彼らが「飛べる」って思った瞬間、それはもう「飛べる」んです。

その点でいうと、このお母さんはホントに無力で困る。子供の夢も腕力も持ってない。だからこそこの世界を司るもの=子供たちが守ってあげなきゃって思うんでしょうね。

この映画から10年経っても、今なお世界中で繰り返されるDV。戦争で死んでいく子供たち。もし彼らも飛ぶことができたなら、どんなに世界は住みやすくなるだろうなんて考えます。幸せな気分で泣いた後、しっかりと現実と対峙させてくれる映画でした。マイクとボビーに共感できたなら、もう今は飛べない僕らでも、現実の子供たちを飛ばせてあげることぐらいはできるはずだよね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)じぇる ミッチェル[*] m[*]

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