アントワーヌのつく嘘はいつだって憎みきれない。ずーっと観てると「またこいつ嘘ついてる」って予想がつく。でもそのホラ話楽しいのよ。だから許しちゃう。あやつがなぜもてるか何となくわかる。でも年中嘘ついてばっかだから結局はこじれる。年中浮気してたんなら楽しくない嘘だってたまってるだろうからね。

　そんな嘘つき男が一生懸命本当のことを話す。これもどこまで本当かは怪しいけれど（だって『夜霧の恋人たち』じゃん）とにかく一生懸命らしい。そこで切り札を出す！これだって怪しい。でもそういう嘘は（本当かもしれないけど）好き。アントワーヌは、アントワーヌらしいやり方で、嘘を本当にできる。そうかあ、アントワーヌは変わらないところがいいんだ。変わってくれるな、アントワーヌ。

　でも、違う映画混ぜないように！奴はアルフォンス！