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[コメント] 化石の森(1973/日)

石原慎太郎によるいつもの若者の心の闇を描いた物を、篠田正浩が例によってミーハーに演出。内容的には特にどうって物は無いが…['06.7.11VIDEO]
直人

当時文学座に在籍していて、これが恐らく映画初出演の二宮さよ子は、前半はいかにも舞台調な演技で戸惑うが、終盤の“女の業”を表現している所はさすが。

若かりし日の萩原健一の、若者の心の闇を演じる姿はいつもながら魅力的だし、岩下志麻との姉弟役も珍しい。

約束』('72)に始まって、本作、『青春の蹉跌』('74)と繋がっていくんだろうなぁ。

でも、最後の最後で全てをかっさらっていくのは、当然といえば当然の杉村春子

劇中で説明されていない人物の過去までを想像させる演技は、この人にしか無理だろうなぁ。

それをまた、サラッと、いとも簡単(そうに)、演じてしまうのだから、恐ろし過ぎる。

(評価:★4)

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