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[コメント] D.I.(2002/仏=モロッコ=独=パレスチナ)

Beautiful Sunday』のできそこないのような作品(『Beautiful Sunday』が完成形なのかどうかは微妙だが)。(レビュー付記2003.5.27)
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







よくよく考えてみれば、第二次大戦後(問題の現実的な発端は第一次大戦でもあり、はるか昔のユダヤ教やイスラム教の発祥などももちろん影響しているが)今日までのイスラエルとパレスチナの歴史状況の戯画化なのだろうか。丘の上の教会に駆け登っていくサンタクロース、プレゼントを落としていることなど無関心である(そしてそれを拾っていく子どもたち)。ゴミを投げる男と投げ返す女、ともに自分の行動を省みることはなく、目の前の障害を取り払うことにご執心だ。(記憶を思い起こしているので、実際の場面と少し違っていたかもしれない)

などなど、いかようにも考えられるのだろうが、一つ一つのイメージが鮮烈に頭に残るようなものでないと考える気があまりおきない。考えなどしなくても、その状況で現実に暮らす人には皮膚感覚で伝わってくるものがあるのかもしれないが、そうした前提を欠いた者が観るには少しつらかった。

それよりは、車中の男女が手を触れ合わせるシーンが、妙に艶めかしくどきどきした。もう一度観たらひょっとすると評価が変わるのかもしれないが、もう一度観にいくには腰を重たくさせてしまう、そんな作品。(★2.5)

(評価:★2)

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